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竹田 武司; 國富 一彦; 中瀬 毅*; 今井 修*; 岡崎 泰三*
The 3rd JSME/ASME Joint Int. Conf. on Nuclear Engineering (ICONE),Vol. 1, 0, p.417 - 420, 1995/00
高温工学試験研究炉(HTTR)は、黒鉛減速、ヘリウムガス冷却型の原子炉であり、原子炉出口温度は950C、熱出力は30MWである。HTTRの炉心と1次熱交換器を接続する二重管の内管の内側にあるライナは高温ヘリウムガスバウンダリを形成し、その材質はハステロイXRである。ライナと内管の熱膨張差はライナにスライドジョイントを設けることにより吸収した。それ故に、スライドジョイントの焼付き及び異常な摩耗を防止する必要がある。そのため、ハステロイXRの表面に熱CVD法を用いて窒化チタン(TiN)を3mの厚さでコーティングすることを考え、焼付き及び摩耗実験を行った。その結果、950Cのヘリウムガス雰囲気でハステロイXRとTiNコーティング材の凝着は生じなかった。また、950CにおけるTiNの摩耗は3mより薄い厚さであった。従って、ハステロイXRの表面にTiNをコーティングすることにより、焼付き及び異常な摩耗を防止できる。
浅香 英明; 久木田 豊; 斉藤 誠司*
The 3rd JSME/ASME Joint Int. Conf. on Nuclear Engineering (ICONE),Vol. 1, 0, p.131 - 136, 1995/00
加圧水型原子炉(PWR)の小破断冷却材事故(LOCA)時におけるホットレグ内の流れは、重力により水と蒸気が分離した水平層状二相流で特徴づけられる。ここでホットレグ水位は、蒸気発生器(SG)内ないしは加圧器内への蒸気による水のキャリオーバー量に影響する重要なパラメータである。小破断LOCA時のホットレグ内層状二相流は、水流量が増加するにしたがい常流から射流に遷移し、これに起因する典型的な水位低下の生じることがLSTF実験により示された。Gardnerは、ホットレグ入口前後で各相のエネルギーが保存されると仮定し、常流から射流への遷移モデルを開発した。しかし、このモデルによる予測結果とLSTF実験結果との一致は、定量的に不十分であった。筆者らは、Gardnerのモデルにホットレグ入口の形状エネルギー損失項をとりいれた改良モデルを開発した。この改良モデルは、LSTF実験で見られたホットレグ内の常流から射流への遷移条件を良く予測した。さらに射流発生時の水位予測及び気液の相間摩擦が水位変化に及ぼす影響についても論じられている。
熊丸 博滋; 村田 秀男; 近藤 昌也; 久木田 豊
The 3rd JSME/ASME Joint Int. Conf. on Nuclear Engineering (ICONE),Vol. 1, 0, p.217 - 222, 1995/00
原子炉の小破断LOCA時等に生じる炉心ボイルオフ(極低流量)状態における炉心内混合水位等の評価に重要な高温高圧条件下のバンドル内局所ボイド率を、光学式ボイド計により測定した。実験は、燃料集合体を模擬した24本ロッドバンドル試験部において、圧力3MPa、質量流束11~90kg/ms、クオリテイ0.06~0.77の範囲で実施した。光学式ボイド計によりバンドル直径に沿った局所ボイド率分布を測定するとともに、線型密度計による直径に沿った弦平均ボイド率及び差圧計による体積(面積)平均ボイド率を測定した。気泡流~スラグ流~環状流と変化するに従い、測定した局所ボイド率分布は凸形より平坦形へ、気泡通過頻度は凸形より凹形へ変化した。弦平均ボイド率(線による)は体積平均ボイド率(差圧による)より常に大きい値を示したが、これは局所ボイド率分布の流路断面内分布によることが明らかになった。
石川 信行; 鈴木 勝男; 藤井 義雄; 臼井 甫積
The 3rd JSME/ASME Joint Int. Conf. on Nuclear Engineering (ICONE),Vol. 1, 0, p.449 - 454, 1995/00
TVカメラによる視覚情報フィードバック制御の一手法として、画像によるビジュアルサーボ制御法(IBVS)がWeissらにより提案されている。本手法の特徴は画像上の量(例えば物体の画像上での重心位置)を直接に制御量として用いて動的制御を実現している点にある。Weissらはこの手法の有効性を数値シミュレーションで示している。本稿ではIBVSを実際に実現する上で必要となる事項の実験的な考察をしている。第1点として、制御系を設計する上で必要となるモデルの検討及びこのモデルに含まれるパラメータ推定実験を行った。第2点目として、画像装置における演算遅れ時間の測定及びこの遅れによる制御系の安定性への影響を制御則としてPI制御を用いた場合について実験的に検討した。
加治 芳行; 井岡 郁夫; 宮本 喜晟
The 3rd JSME/ASME Joint Int. Conf. on Nuclear Engineering (ICONE),Vol. 1, 0, p.363 - 368, 1995/00
核熱利用の新たな展開において、1次系と2次系冷却ガスの熱交換を行う中間熱交換器(IHX)は、高温ガス炉(HTGR)の重要機器である。その中で、特に伝熱管の構造健全性を確認することが重要である。起動停止時において、伝熱管の下部連絡管は高温ヘッダーとヘリカル管との熱膨張及び温度差による熱応力を受ける。したがって、950Cヘリウムガス環境中において、伝熱管の寿命を評価するためにIHXの実規模モデルを用いたクリープ疲労試験を行った。また非弾性解析を用いた寿命予測を行い、以下の結論を得た。(1)4576サイクルで最内層のサポート角度が90Cの伝熱管のスタブ部と下部連絡管の間の溶接部にき裂が発生した。(2)非弾性解析により計算されたクリープ損傷を用いた寿命予測結果は、実験結果に比較して非常に保守的であった。
数土 幸夫; 神永 雅紀
The 3rd JSME/ASME Joint Int. Conf. on Nuclear Engineering (ICONE),Vol. 1, 0, p.223 - 228, 1995/00
ヒートパイプ、板状燃料を用いる研究炉及び商用炉での垂直流路における気液対向二相流で重要な現象である落下水制限(Countercurrent Flow Limitation)現象の、発生メカニズムとその支配パラメータの効果について、内管流路、矩形流路並びに環状流路の特性を解析的に系統的に検討した。その結果、流路長、流路径、又はギャップ、幅並びに注入水の運動量の効果、注入水のサブクーリングの効果を的確に評価できることがわかった。解析結果と既存の各種の流路形状での実験結果との一致は良好であることがわかった。これらから、落下水制限の発生メカニズムについて重要な知見を得ることができた。
高瀬 和之; 秋野 詔夫
The 3rd JSME/ASME Joint Int. Conf. on Nuclear Engineering (ICONE),Vol. 1, 0, p.535 - 540, 1995/00
ピン・イン・ブロック型炉心構造であるHTTRの場合、冷却材であるヘリウムガスは燃料棒と燃料チャンネルとで構成される環状流路を下降しながら、燃料棒によって最高950Cの出口温度にまで加熱される。この際、燃料温度は1200C以上の高温となるため、将来の高出力密度炉心では設計余裕(燃料使用最高温度との差)を十分に確保できない。そこで、燃料温度を現状よりも低下させるための一手段として、対流伝熱促進を期待した粗面燃料棒による伝熱流動実験が行われ、その熱流動特性が調べられた。本研究はこの実験結果をもとに、矩形突起付き環状流路内の熱流動解析を行って熱伝達率の数値予測の妥当性を評価したものであり、本成果は高温ガス炉用高性能燃料棒の開発や原子力熱エネルギー輸送機器の高効率化等に利用できるものである。
清水 智也*; 寺下 尚孝*; 新谷 文将; 秋元 正幸
The 3rd JSME/ASME Joint Int. Conf. on Nuclear Engineering (ICONE),Vol. 1, 0, p.469 - 474, 1995/00
本報では、本研究で開発したソフトウェア統合化手法をベースとして開発した原子炉設計知的支援システムの構成及び本システムの使用可能性についての評価結果について述べる。本システムは、GUIを介して設計者が入力した原子炉概念の図的データを基に、キーワード検索により、自動的に解析コードを選択、結合し、解析システムを構築する手法をとっている。この際、解析コード及び入力データに関する情報を記述した情報モジュールが参照される。本システムの使用可能性の検討項目として、(1)種々の構造を有する解析プログラムへの本システムの適用可能性、(2)種々のプラント体系への適用可能性、(3)解析モジュールの選択、統合の適切性をとりあげ、評価を行ったところ、妥当であるとの結論に到った。